遺言書がある場合を除き、遺産(相続財産)として何があるのかは、相続人が遺産ごとに調べないことには分かりません。また遺言書がある場合でも、全ての遺産について記載されていない場合には、同様に相続人において調べる必要があります。
プラスの遺産(積極財産)
プラスの遺産として代表的なものは次のとおりです。
- 預貯金
- 出資金
- 現金
- 不動産
- 株式、有価証券
- 動産
- 損害賠償金(債権)
この他に、生命保険金については、相続税においてはみなし相続財産として課税の対象になりますが、遺産分割においては原則として遺産に含まれません。
最三小昭和40年2月2日(民集19巻1号1頁)
「保険金受取人としてその請求権発生当時の相続人たるべき個人を特に指定した場合には、右請求権は、保険契約の効力発生と同時に右相続人の固有財産となり、被保険者(兼保険契約者)の遺産より離脱しているものといわなければならない。」
マイナスの遺産(消極財産)
- 借金
- (場合によって)不動産
- 損害賠償債務
- 建物明渡債務
不動産は基本的にプラスの財産ですが、買い手がつかず誰も使っていない場合などは固定資産税が掛かるだけのため、マイナスと考える場合もあります。
損害賠償債務は、例えば亡くなった方が生前に交通事故の加害者である場合、被害者に対して損害賠償金を支払わなければならない義務も相続の対象となります。自動車保険に加入していれば、保険で賄われる場合もあります。
建物明渡債務は、例えば亡くなった方がお一人で借家に住んでいた場合、貸主に建物を明け渡す義務のことです。
遺産の調査方法
各金融機関への問い合わせで、残高や過去の取引履歴を発行してもらえます。問い合わせには被相続人との関係を証明する戸籍一式が必要となります(以下同じ)。
各市町村役場の固定資産税などを取り扱っている窓口で、その市町村において被相続人が所有する不動産の一覧である名寄帳写し・資産(評価)証明書(名称は市町村により異なります)を取得することができます。
また、毎年5月ころに郵送される固定資産税の納税通知書にも同様の情報が記載されていますので、この通知書から不動産が判明することもあります。
証券会社に問い合わせて調査します。預貯金の通帳や取引履歴から、証券口座を持っていたことが判明することもあります。
被相続人あての郵便や、信用情報を取得して調査します。